911 Targa (1974)


1974年、911はGシリーズに移行し、911、911S、カレラの3グレードとなり、全車 2.7リッターへ排気量アップされました。米国の安全基準に合致させるため、大きな衝撃吸収バンパーが前後に装着され、外観の印象が大きく変わったGシリーズの 911 にも屋根を取り外し、気軽にオープンエアを楽しめる人気の「タルガ」が引き続き設定されました。  

911がデビューした1964年、カブリオレの追加が検討されましたが、主要なマーケットである米国でオープンモデルの危険性が問題となっていることを意識したポルシェは、カブリオレにロールバーを装備した全く新しいスタイルのデザインで特許をとり、1966年から「タルガ」の名称で販売を開始しました。タルガの名称の由来となったシチリア島のロードレース「タルガ・フローリオ」において当時ポルシェは4勝を記録する活躍を見せていました。

 

初期のタルガは、リアウインドウがビニール製で折りたたむことができましたが、1967年に熱線入りのガラス製リアウインドウがオプションに設定されると大半の顧客がガラス製を選択したため、翌年からはガラス製が標準となりビニール製のリヤウィンドウはオプション扱いとなりました。タルガはオープンエアの解放感と乗員の安全を同時に確保できる秀逸なデザインとして 大成功しました。


この作品はタミヤ(TAMIYA) 1/24のスピードスターを改造したものです。タミヤのキットは適度なデフォルメで見映えが良いうえ部品数が少なく簡単に組み立てられるので改造のベースモデルとして最適です。今回はフジミのキットからパーツを流用してタルガに仕上げてみました。911は多くのメーカーからキットが販売されていますが、今回タルガ関連のパーツを調達したフジミのエンスージアスト・シリーズは、1/24スケールにしては部品数が極端に多く、エンジンの細部まで徹底的に再現された組立てがいのあるキットで、89年までの 911シリーズを概ねカバーしているので、コレクションするには嬉しいシリーズです。